激闘の章

ＰＭ４：３０　　某ゲーセン

久しぶりにＵＦＯキャッチャーで遊ぶかと獲物を物色。店内中央付近に設置された北斗の拳フィギィアにロックする。ケンシロウではなくラオウばかりがケース内に並ぶ様に微かな哀愁を感じつつ、とりあえず１００円投入。
ウィーンウィウィーンガシッ、ウィウィーン…………ボトッ。
獲れない。
予測していた事だがアームの力が弱く、フィギィアの入った箱を持ち上げる事は出来ないらしい。箱の両側面には半円の穴が開いていてここにアームを引っ掛けるのだが、観察してみるに持ち上げる事は出来なくてもズリズリと反動でズラす事は可能のようだ。で、また１００円投入。
ウィーンウィウィーンガシッ、ウィウィーン…………ボトッ。
よし、少し落下口に近づいた！これを続ければラオウが獲れる！
こうなるともう時間と１００円玉との勝負である。ポッケには両替したコインがまだまだある。イケるぞ！
コイン投入。ズリッ。コイン投入。ズリッ。コイン投入。ズリッ。コイン………ズリ………
少しづつ、だが着実にラオウを追い詰める。高まる鼓動。
こういう類のゲームに興味の無い人から見ればこれはただの浪費に過ぎないだろう。だがこれは景品と、そしてアーム力を調整しているゲーセンスタッフとの戦いなのである。
そしてとうとうあと１回で景品ゲットというところに。だが―――
ウィーンウィウィーンガシッ、ウィウィーン…………ガタッ、パタン。

倒れる箱。回収されるアーム。落下口まであと５ｃｍ。

何故なんだラオウ！！
あと１回！あと１回というところで何故倒れる！？ラオウか！？ラオウだからか！？あのケンシロウの生涯最高最大の強敵（と書いて友と読む）には、やはり私では勝てないというのか！？拳王は退かぬ、媚びぬ、顧みのか！！

だが私とてここで退く訳にはいかない！ここまで獲物を追い詰めておいて諦めるなんて、出来ない！それにここまでに１０００円近く使ってるんだから！（馬鹿野郎）
こうなったら、ゲーセンスタッフなど関係ない。もはや自分との戦い！負けられない戦いがそこにはあるのだ！！

ちゃりーん（百円投入）
ウィーンウィウィーンガシッ、ウィウィーン…………ガタッ、パタン。
獲れない。
ダメだ、倒れてしまった以上、もう少しづつズラす戦法は使えない……どうする。どうするよ俺！

「幻の５００円玉投入！（５００円入れると一回お得！）」

普段じゃ絶対やらないが、ここは覚悟を決める。そして再びの戦い。
１回……２回……３回……そして４回目。
ウィーンウィウィーンガシッ、ウィウィーン…………ガタッ、ゴトゴトッ、ゴンッ。
！！
獲れたーーー！！！
獲れたよ！箱の角にアーム引っ掛けたら獲れた！勝ったんだ！拳王と自分に、私は勝ったぞエイドリアーン！！


↑戦利品。ありえない胸筋。Ｆカップと見た。

こんな感じの休日でした。アホです。
しかもその後、残ってた２００円分で続けたら、連続で南都最後の将とラオウ（２個目）が取れてしまったという。こっち狙ってたら１５００円も費やす必要なかったじゃねぇか！キャッチャーの景品、獲り尽くしちまったし！

こんな話でこんなに尺取るなよ自分！